映画「聲の形」ネタバレ感想。 硝子だってなぁ、聞こえるようになりたいんだよ…!!

f:id:kazu_Ne:20161008232823j:plain

映画 「聲の形」観ました。ものすごかったです、これ。まさか生きていてこんな映画に出会うなんて思っていなかった。それぐらい僕にとって衝撃的な映画でした。

この映画、みんなはどんな感想を持つのだろうと気になって、ネットをみていると

 「硝子のことがよく分からない」というような感想を、チラホラ発見。

マジか…そうなのか…と、
割と硝子に感情移入して観ていた僕は、何だかやるせなくなってしまって、硝子の気持ちを分かってやれるのはオレしかいない!
という何ともおせっかい心?が働いてしまったので、主に硝子目線の感想を書きたいと思います。

あくまで僕が感じた西宮硝子という事なので、実際、劇中の硝子が何を考えていたのかは分かりませんが、これを読んだ方が硝子という人物を考える材料にしてして頂ければなと思います。


と、いうのは建前で、僕自身、この映画を観てから色々やってらんねー!ってなってしまって曲作りも中々進まなくなってしまった。(公開出来てないけどコツコツ作りためてるんですよ…ホント。)お酒でも飲むか…とはいっても普段お酒飲まないので、感想でもぶちまけるか…ということでブログ始めました。(学のない人間なので読みづらかったらすみません。)
前置きが長くなりましたが、参りますよ~

 1 硝子が根本的に抱えているもの

それは、
「耳が聞こえるようになりたい。耳が聞こえる人間に生まれたかった。」
という願いのような思い。

これは、吐き出してしまいたいけれど、吐き出せない。吐き出した所で、耳が聞こえるようにはならない。ただ相手を困らせるだけで、ただ悔しくて自分が惨めになるだけの思い。

2  硝子が将也に惹かれていく理由

いじめられっ子がいじめっ子に好意を抱くなんてあり得ない。なんて感想を見かけたんですけど、二人の関係って結構特殊だと思うんですよね。小学生時代、硝子はイジメられてましたけど、将也がイジメられている所も見ているし、何より取っ組み合いのケンカをしている(これが無かったら打ち解けるのは難しいかも)、「これでも、頑張ってる」っていう本心も明かしてしまった。硝子からしたら気まずいし、恥ずかしいと思うんです。

二人が再会したとき、硝子は逃げてしまいますが、将也は手話を使い友達になれるかなと伝えます。

これ凄く嬉しかったと思うんですよね。
硝子にとって、手話が出来る同年代ってあまり居ないと思うんですよ。実際、手話の会には歳の近い子って見えなかったし、ましてや同い年の男の子ですよ? 滅多にいないと思うんですよね。もうそれだけでスゴく意識してしまう存在だと思うんです。

喧嘩別れして5年経っていますし、硝子にとってイジメはもう過去になっていると思うんですよね。後日再会した時も、ノート普通に開いてたし、川に飛び込んでまで拾ってましたしね。そんな将也が、すご~く申し訳なさそうな顔して目の前にいる。

あのいきなり砂をぶっかけてきた砂かけ小僧の石田君がですよ!? この時、涙を浮かべる硝子がまたね…色々思い出しちゃったんでしょうね。。
その後も
佐原さんを探したり、結紘とも仲良くしてくれてるし、将也のひたむきな行動にどんどん惹かれていくと思うんだよなぁ

3 なぜ、硝子は告白したのか。なぜノート、手話を使わなかったのか。

それは単純に将也にもっと近付きたかったからだと思うんですよね。
将也と植野が二人でいる所をみて嫉妬してしまった。
二人の会話が聞こえない、将也に、何を話していたのか聞いても、はぐらかされてしまう。 普通に会話している二人に対して距離を感じてしまって、

自分も声で伝えられたら。ノート、手話を使わずに接することができたら、もっと近付ける。肩を並べられる。

と思ってポニーテールまでして声で会話したら、手話!って言われちゃった挙げ句、告白も失敗してしまうわけで…これはショックだったろうなぁ…苦笑
というか、この告白って勢いで言っちゃった感あるよなぁ。。自転車引き止めてたし。

4 鯉にエサをあげる硝子

硝子って鯉にパンをあげるの日課になってますよね。これ、硝子は自ら投げるパンに自分を重ねているのだと思います。川にいる鯉は耳の聞こえる人間で、パンは自分。自分は食べられるだけの無力な存在。なんていうか、死にたくなる自分にブレーキをかけていたんじゃないかな、と思いました。
この発想する自分もやばいかな…爆

主題歌、恋をしたのは
サビ頭の歌詞、恋をしたのは~って
パンだった硝子が鯉に恋をする事で、硝子もまた鯉になった。という童話的なことを示しているのかな、と思ったり。

5 なぜ、硝子は飛び降りたのか。

「 耳が聞こえない自分に疲れてしまったから」

硝子だって好きでノートと手話を使っているのではないと思うんですよね…
周りの人はノートと手話使わないし…。自分だって普通に会話したいですよね。でも出来ない。周りが当たり前のようにやっていることが出来ないって、すごく悔しいですよこれ。しかも努力じゃどうにもならないのがね…。
小学生時代もそうだけど、それよりも前、映画で描かれてない幼稚園のころとかも、最初はみんな優しく接してくれるけど段々離れていく。友達の輪の中にいても蚊帳の外って感じで、ずっと孤独を感じていたと思うんですよね。それが観覧車での事や橋の上のこと、告白の失敗で身に染みて分かってしまった。
結局、私は何をやっても、どこへ行っても、どこまでいっても耳が聞こえない人間で、これから先も変われないって。私と一緒にいると不幸になると言っても、一緒に居てくれる将也に耐えられなくなってしまったのかなと。
でも将也の君に生きるのを手伝って欲しいという言葉で、自分自身を許せた…というよりは聴覚障害を持つ自分を受け入れることが出来た…のかな。最後の笑顔は良かったなぁ。

 6 なぜ、硝子は謝ってばかりなのか。

それは、「嫌われたくないから」

だと思うんですよね。
硝子は必ずしも自分を否定しているわけでは無く、ノートと手話に頼らなければコミュニケーションは困難で、それで相手を苛立たせたり怒らせたりしたら、謝るしかない。仲良くなるには、まず嫌われてはならないし、自分にはこれしかないわけで、これで受け入れてもらえなければ、友達になんてなれるわけない、と思っていると思うんですよね。

上手くコミュニケーションがとれないから不満を外に向けるとか、やられたらやり返す的な精神は、硝子が日常生活を送るために必要な能力を得る過程で卒業してしまったと思うんですよね。西宮ママすごく厳しそうだし…たくさん叱られてきたと思うんですよね。入場特典の漫画でも厳しいし。
だからこそ将也ママへのゴメンなさいは、くるものがあった。今までの「嫌われたくない」からの謝罪が、「将也を傷つけてしまったこと」への謝罪に変わる。なんていうか硝子の中の何かが変わった。言葉では表せない何かが。
また早見さんの演技が凄いんですよね。ほんと奥底から絞り出すようなゴメンなさいだった。脳裏に刻まれちゃいました。一番好きで一番嫌いなシーンかな。矛盾してるけど笑 とにかく印象に残るシーンだった。

 

ふう、ここまで硝子について書きましたけど疲れますね、感想書くの…

ここからは、他のキャラや印象に残ったシーンについて書いていきます。

 

植野

うーん、この子はこの子なりに硝子と和解しようとしてましたけど、やっぱり正当化して無かった事にしましょう、ってのはチョットね。必死になりすぎてましたよね…まっすぐな良い子だと思うんですけど、プライドが高すぎるのがね…なんかベジータみたい。
病院で硝子に悲劇のヒロインぶってんじゃねーって言ってましたけど、ぶってるのは植野の方だと思うんですよね…硝子がいたからクラスが壊れた、それで将也を守れなかったって硝子にイラついてる。なんていうか幼い。違う形で硝子と出会っていればここまで拗れることはなかったんじゃないかなと思うと…うーむ。

気になったんだけど、植野を遊園地に誘ったのは誰なんだろうか。

川井さん

一番印象に残ったキャラクター
うん…この子については多くは語るまい
えーと、社会悪の化身のようなキャラですね 苦笑

正義って人に押しつけてしまったら、それはもう正義ではなくて悪になってしまうと思うんですよね。正義はあくまで自分に向けるものだと思うんだけどなぁ。

 

結弦

将也のことを警戒しつつも、試すように罪を突き付け、信用できるか確かめる。 だんだん将也に懐いていくところが良かった。
将也を赦せない母との対比がよかったですね。

 

将也と島田
この二人ってリアルに近い、いじめっ子いじめられっ子の関係だと思うんですよね。島田は今さら謝る気もないし、赦してもらわなくてもいい。将也もなるべくかかわりたくない、っていう。植野の落ちた将也を助けたの島田達だよ、のセリフにとなってしまった。どっから湧いてきたんだお前達よ…!それまで夢中になって観てたのに、急に冷めてしまったんですよね。なんか全然しっくり来ない。このセリフを入れるなら二人の関係をもっと描いて欲しかったなぁ…
広瀬君は腰巾着になってましたけど原作では出番あるのかな?

 

良くなかったところ、こういうシーンが見たかった。

学園祭のシーンが唐突に感じた。
学校行くのか~と思ったら学園祭だったのでビックリしました。原作ではちゃんと描かれているのかな?

見たかったシーン

 硝子と佐原が二人でいる所をもっと見たかった。この二人の組み合わせはすごく落ち着く。笑

植野の土下座が見たかった。
と、いうと悪趣味ですね。笑
ちゃんとした謝罪をするシーンが見たかったですね。最後は手話でいい感じにまとめてましたけど、何かもう一つ欲しいな~と思ってしまった。

 

以上!感想おわり!!

いや~ほんとこの映画すごかった…公開から三週間たちますが、なかなかに引きずりました。映画観て落ち込むなんて初めてだったので、ほんとにビックリした…。
原作買おうかなと思っていたんですが、映画で満腹になってしまったので
Blu-rayが出る頃に一緒に買おうと思います。

はい、長々と書いてしまいましたが、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

このブログは感想書くために作ったので、あまり更新しないかもしれませんが、よろしくお願いします。